技術開発RESEARCH AND DEVELOPMENT
タフガード®ハード
Zn-Al-Mg 三元系高耐食めっき鋼線
1.タフガード®ハードの開発経緯
高耐食性めっき鋼線タフガード®ハードとは
亜鉛めっきにアルミニウムとマグネシウムを添加し、
優れた耐食性を実現した三元系めっき鋼線
開発経緯
- 2014年、当社が新日鐵住金株式会社(現日本製鉄)と共同で開発成功
- 2017年、タフガード®ハード 新聞発表 本格販売開始
2-1. 亜鉛合金系 防食原理
①亜鉛めっき
- 保護被膜が生成
鋼の腐食を防護 - 犠牲防食作用もある
②亜鉛アルミ合金めっき
- 基本的な防食機構は、亜鉛めっきと同じ
- めっき層中に添加したアルミが腐食生成物の腐食反応速度を抑制するため、耐食性が向上
③三元合金めっき タフガード®ハード
- Mg添加により更に緻密な保護被膜を生成、腐食生成物の腐食反応速度を更に抑制
- 大気中の塩素イオンや炭酸ガスが多いほど緻密な腐食生成物が増加し耐食性が向上
- 亜鉛めっきと同等の腐食電位⇒犠牲防食あり
2-2. 耐食性試験
耐食性試験
①野外暴露試験 : 沖縄県 北大東島
試験期間)
2014年10月24日~2015年12月7日:より線のみ
2017年 4月12日~現在:より線+巻付グリップ
2014年10月24日~2021年12月6日:電力線
②塩水噴霧試験:JIS Z 2371 (2000) 「塩水噴霧試験方法」 に準拠
試験条件)
塩濃度 : 50±5 g / ℓ (5 % 濃度)
p H : 6.5 ~ 7.2 の範囲
2-3. 曝露試験場(北大東島)
出典)
「高耐食亜鉛合金めっき鋼より線の開発」 2016全国大会 No.7-108 (2016)
2-4. タフガード®ハード 防食性まとめ
2-5. 曝露試験結果比較(北大東島)
亜鉛めっき鋼より線
亜鉛アルミ合金めっき鋼より線
三元合金めっき鋼より線
2-6. 曝露試験結果比較(北大東島)
巻付グリップとより線勘合部
暴露試験(1699日目)
- 亜鉛めっきと三元めっきの接触部において、 著しい腐食は認められない。
⇒ 異種金属接触腐食は認められない。
2-7. 曝露試験結果比較(北大東島)
2-8. 3000時間 塩水噴霧試験 外観比較
試験機関:日鉄テクノロジー社(2016年3月15日報告)
亜鉛めっき鋼線
(約1,000時間経過時点で最初の赤錆が発生、以降腐食部が更に拡大)
亜鉛アルミ合金めっき鋼線
三元合金めっき鋼線 タフガード®ハード
2-9. 10,000時間 塩水噴霧試験 外観比較
外観写真(10,000時間試験後)
亜鉛めっき鋼より線
三元合金めっき鋼より線 タフガード®ハード
電気学会
-
電気学会 全国大会 No.7-108, 2016
J-witex 「高耐食亜鉛合金めっき鋼より線の開発」 -
電気学会 全国大会 No.7-107, 2016
北日本電線、J-witex 「耐食ACSRの開発」 -
電気学会 全国大会 No.7-096, 2019
北日本電線、J-witex 「耐食ACSRの耐食性」 -
電気学会 B部門大会 No.291, 2020
J-witex、北日本電線 「便益性(寿命)を向上させた三元合金めっき
鋼より線及び巻付グリップの評価試験結果について」